胃が痛くなる母

明日の金曜日、KとZはピアノのシラバスというグレードテストを受ける。

Kの前の先生は、韓国人で、日本で中学、高校を過ごした方なので、日本的なものすごく厳しい指導をされていた。例えば、テストには、スカートをはいてくる事(男の子は一応、教会に着て行くようなシャツとスラックス)、髪の毛は顔にかからないようにする事、マニキュアは落とす事、などなど。本当に細かかった。

それ以上に、テストへの準備がものすごく完璧に行われていた。Kよりも先生の方が緊張していたようである。

1年半前に、先生が変わり、現在のアメリカ人の先生についた。彼女は、前の先生とは、全く違っていた。

例えば、Kがマニキュアを落としていくのを忘れていたら、「あら、可愛い色じゃない。」と褒めてくれる。

また、テストの準備にしても、大雑把。

今回は、Kの方がやきもきしているくらい。

演奏はいいのだが、理論の方がとても心配のよう。親としても、胃が痛くなってしまうほど。ああ、次から次へと、心配事は出てくるのである。

まあ、演奏の方が一応はできているので、いいということにしておこう。

Zは、明日がはじめてのグレードテスト。彼は、結構本番に強いので、大丈夫だと思うのだが、最後まで何が起こるか分からない。

ああ、明日、私は何も食べられないのだろうな。今から、胃が痛くなっている私である。

自分が弾く方が、よっぽど楽なのである。

親になってから、心労という言葉、身にしみてわかるようになりました。

お弾き初め会


年が明けて、今週が最初のヴァイオリンのレッスンの週となっている。

私は、才能教育いわゆるスズキメソッドでヴァイオリンを学んだので、季節の変わり目に行われていた活動を思い出す。

今回思い出したのは、お弾き初め会。

お習字で、書初めというのは一般的である。才能教育ではというか、東北の仙台支部では、毎年1月の1週目の週末にお弾き初め会が開かれていた。みんな結構おめかししてきて、お昼を食べてから、演奏とゲーム。毎年先生からお年玉といって、ヴァイオリンを拭くやわらかい布を頂いた。先生の名前と一緒にその年の干支の絵が印刷されており、とても可愛いものだった。今でも、最後に頂いたヴァイオリン拭きを私は使っているのである。

才能教育でヴァイオリンをしてきて良かったことを考えてみると、ヴァイオリンを通しての友達が多くいたということである。兄弟姉妹的な人がたくさんできたのである。年齢の近い人たちとグループを作って、四重奏をしていたこともある。

仙台だけでなく、福島にも支部があったので、高校の頃からは、結構福島まで行ってヴァイオリンを弾いていた。

夏には夏期学校といって、ヴァイオリンのキャンプがあった。松本で行われるものと、仙台支部で行われるのがあり、松本には上手な人が行っていた。私は、はっき言ってヴァイオリンが下手だというコンプレックスを持っていたのだが、松本へ毎年のように行った。10歳くらいで、鈴木慎一先生からのレッスンに出る時など、ふるえが止まらなくて、ビブラートがものすごくかかって弾いてしまったことを覚えている。ああ、懐かしい。

私にとって、才能教育は、ヴァイオリンの詰め込み教育と言うよりは、地元の先生と鈴木慎一先生から人間性を学ばせていただいた所。ヴァイオリンよりも、生き方、他の人への対応の仕方、他の人への愛を教えていただいたと思う。

テクニックとしてのヴァイオリンだったら、才能教育ではなくて、音楽学校で学べると思う。でも、才能教育は、というか鈴木先生の教えは、ヴァイオリンだけでは留まらず、人間性、1人の人間としてどのように成長すべきかを私に示してくれたと思う。

私自身、お子さんを預かって教えるという立場に立つようになった。音楽だけではなく、それを越えた、人間性というものを少しでも伝えていけたらいいなと思いながら教えている。


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